中国視察 醸造機械編

ビール造りを始めるとなると、まずは機械の選定から始めることになります。

うちゅうブルーイングでは1回に500Lのビールを仕込む醸造機械を導入する予定です。
研修先のアウトサイダーブルーイングと同じ仕込みサイズです。

500Lと言うと330mlの瓶で1500本ほど。
普通の人には大きいのか小さいのかわかりにくいと思いますが、クラフトビールメーカーの中では小さい方です。

よなよなエールで有名なヤッホーブルーイングさんは10,000L。
他の国内クラフトブルワリーでは2,000Lぐらいの仕込みサイズが多いと思います。
ちなみに大手のビール会社さんだと130,000L。

この一回の仕込みサイズで何回仕込むかが工場のキャパシティとなるわけです。

大きなサイズの利点はやはり味の安定とか労力の低減とかがありますが、小さなサイズだとデメリットばかりかというとそうではなく、季節のフルーツを使った商品に挑戦できたり、仕込みごとにビールの味を改良していけたりと小回りがきくという利点があります。
大きなサイズでは失敗すると損失も大きいので、なかなかできない挑戦的な試みができるサイズだと思います。

で、肝心の醸造機材ですが、国内のブルワリーで使われている機材は私の聞いた範囲では輸入のものばかりで、基本的には海外から輸入するか運良く国内のブルワリーのお古を譲ってもらうかしかないので、クラフトビール醸造を始めるにあたり、まず最初の難関になるのが機材の購入だと思います。

中国のコーディネーターの方と工場を紹介いただき、何度か打ち合わせをする中で一度機材を見てみたいと思い中国に行くことにしました。
英語表記でJinan Shandong 日本語表記では山東省済南市。
北京から新幹線で90分ほどの済南市は古くからの工業地帯らしく、醸造機材の工場もたくさんあるそうです。
済南駅まで工場の方に迎えにきていただき、工場の見学をさせていただきました。

溶接部分やコントローラーの各部を見ながらいろいろと質問をさせていただきましたが、商品の品質は良いと感じました。

今回導入するのはアナログ制御の醸造機材なのでモーターやポンプ、電気系統の制御がしっかりしていれば大丈夫と思いました。
ポンプなどのメーカー名も確認し、電子機器に関しても日本でも入手可能な一流メーカーで組んでもらえることも確認できました。
タンク類に関しては溶接の仕上がりは普通にうまいと思いました。
圧力テストなども希望の圧力で行なってくれるとのこと。

済南で1泊して帰るというハードスケジュールでしたが、実際に工場を見ることでオーダーするときの細かい部分が固まったし、いろいろと安心できたのでよかったです。